故障内容の確認とサポート体制の説明
■シンクロモーターの共振音はモーター交換の対象にはなりませんので、次の事柄を確認してください。
共振音はジーッとかジッジッという音がスウィングに合わせて周期的に出ます。
原因ですが、モーターに組み込まれているミッション(減速ギア)は、トレーの手前がせり上がる時プラス負荷、峰を越えて下がる時にマイナス負荷になりますが、その時に歯車の接触面が変わります。
歯車同士の当たりがとれて来ると動きがスムースになり、一度反対面に触れた反動で前面に触れまたその反動で後面に触れを瞬間的に繰り返します。
その動きが共振というもので、ジーッとかジッジッという音は共振音といわれるものです。
トレーを空にして駆動したり、時計のセット位置を変える、またはスウィング中のトレーに軽く触れると音が出たり止まったりする場合は、共振音と判断できますが、この音は保証対象外です。
共振音ではない場合、特に持続して比較的大きい異音がスウィングに関係なく発生することが確認される場合は、保証の対象になります。
■タイマー付近から常時、又はスウィング中にカチッ・カチッという異音が出ている場合は保証の対象外です。
原因はタイマーやモーターに組み込まれているミッションのギアのせり上がり等によるものと思われますが、一度元電源を切るか1〜2週間すると音は消えます。
タイマーの時刻が同じ周波数エリアなのに大幅に狂う場合は保証の対象です。
■時間になってもタイマーが作動しONにならない、又はOFFにならない場合は、セットピンの引出しが不十分だと思われますので、次の事柄を行なってみてください。
まず、文字盤の左上にある切替ツマミを時計方向に回し、入でON、切でOFFになるかどうか確認します。
次に、セットピンを中心方向に押し込み、もう一度外側に十分引出してみてください。引出しにくい場合は、文字盤とセットピンの間に竹串など細い物を入れて引出します。文字盤を時計方向に回して、「現在時刻」をセットピンが通過しても作動異常が解消しない場合、セットピンのプラスティックの削れか欠けている可能性がありますので、別のセットピンを利用してみてください。
それでも、作動異常が解消しない場合は保証の対象です。
■トレーが反転したり、せり上がって止まってしまった場合、自然に起こったものは保証の対象です。
1ポケット250グラム、合計750グラム以内が正常にセットされていれば問題なく駆動できますが、スウィング軌道内に物が挟まった場合やセット位置のバランスが非常に良くないと、モーターは空転します。
空転状態が長時間持続しますとトレーの軸受けが緩んで持ち上がり、トレーが反転やせり上がりを起こします。
瞬間的に1500グラム以上の荷重が掛かると、軸受けの接合面が壊れるようになっています。
自然現象によるものか、物を挟んだり物理的な負荷が異常に掛かったものかを確認してください。
■トレーの手前か奥がスウィング時頂点に来た時、変な挙動をする場合は保証の対象です。
トレーは設計上90度のスウィング角ですが、この前後計90度の角度は時計が落下しない為の角度です。
しかし、フエルトとスポンジに保持力があるため、欲をかいて95度程度にしてお届けいるものが多いです。
原因は、トレーのスウィングが上死点から峰を越えて下死点に向かう時、先にトレーが動き後からモーターに直結しているアルミレバーが追いかけていき、横から見るとトレーの頂点が8の字を描くスキップのような動きをすることにあります。
トレーの動きが良好で、時計のセットバランスが良いと起こる現象で、時計のセット順を変えたり、バランスをずらす、またはスウィング中トレーを軽く触れると消える事で確認できます。
4〜5度スウィング角を少なくすれば、スキップ現象を消すことが出来ます。
なお、このスキップ現象がセットしている腕時計や時のゆりかごに悪影響を与えることはありません。
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