2003年3月に埼玉県春日部市の�蠑湘超揚△鯔�問して、ワインレッドの「時のゆりかご」のBOXを制作して貰うことが出来た経過は「オヤジの独り言13」で既に報告している。 実はその時の試作では、塗装用のMDF木地のものと桐素材のものが制作されていたが、MDFはワインレッドに、桐素材はクリアが塗装され、ワインレッドは半艶の非常に美しいフォルムで一目ぼれしてしまったが、桐はピカピカしてなんとなく重みがなく、全員の目がワインレッドに注ぎ込まれて、あえなく桐はお蔵行きとなってしまった。
塗装は岩槻雛人形の装飾品の塗装など、木質系の塗装を得意とするM工芸のS氏に先代の松田社長から依頼してもらい、ワインレッドは2006年6月まで制作されたが、茶色い文字盤のタイマーが廃盤になったのをきっかけに、シルバーメタリックの塗装に変わった。 昨年の5月頃よりS氏は体調を崩され制作台数が極端に落ちたのだが、他の塗装業者に依頼してもまったく違う質感の仕上がりで納得できるものではなく、S氏の制作ペースに合わせて制作・発送することに決めた。 現在はオークションなどの露出量を極端に少なくして調整しているのだが、2ヶ月近くお待ちいただくことになってしまい、大変申し訳なく思っている。
昨年12月、桐素材をまな板・名刺入れ・カレンダー・弓道の矢筒など積極的に製品化している今の松田克成社長に、桐の素材を生かして「時のゆりかご」を作れないかと相談したところ、しばらくして、先代の社長のそれとはまったく違う「時のゆりかご」のBOXを作り上げてきた。
まず最初に驚いたのは、桐の木目がはっきりと、しかも緻密に模様を描いていること。 今までも仕事柄からホームセンターで桐の板を購入して、いろいろな目的に使用してきたが、ここまでハッキリした木目の板を見たことはなかった。 松田社長にその話をしたところ、ここまで木目の決まった板は国内でも簡単に入手できず、木目がほとんど見えずアクの抜けきれていない中国製の桐板に、市場は押されているのが現状とのことであった。
この桐無垢を見ていると、私の父が持っていた将棋の駒入れの木箱や掛け軸の木箱の木肌を思い出した。 BOXの表面を見ていると、木目が細かく、渦を巻き流れる川の水面のようにも見えてきた。 ついに、「時のゆりかご」もこの「桐無垢」で落ち着きを持ち始めたように感じた。 そして、軽さに素材の良さを感じ、BOXの裏側に蝶番がないことに驚き、精度に技術の高さを感じさせるものが出来上がった。
先代の松田社長もきっと目を細めて見ているに違いない。
(善)’08.5.17
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